地球温暖化防止編
地球温暖化とは
大気中の“温室効果ガス”の濃度が、人間活動によって急激に増加することで地球の平均気温が上昇するなど気候変動を引き起こすことをいいます。
この100年間で地球の平均気温は0.74℃高くなりました。また、気象や生態系への影響、それに伴って発生する農作物や人の健康への被害が心配されています。
もちろん日本にもその影響は及びます。
温室効果ガスとは
温室効果のある気体の総称で、二酸化炭素(CO2)、フロン、メタン、一酸化二窒素などがあります。
中でもエネルギーの利用など人の活動で排出されるCO2は、地球温暖化の主な原因とされています。
地球の大気の成分はほとんどが窒素や酸素で、CO2は約0.04%しか含まれていませんが、地球温暖化には大きな影響があります。
18世紀後半にイギリスで始まった「産業革命」で石炭などの化石燃料の使用が急激に増加したため、大気中のCO2濃度も上昇しました。
地球温暖化を防止するためにはCO2の排出を抑制・削減する必要があります。
⇒新潟市の状況
地球温暖化とエネルギー
CO2は石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を消費し、エネルギーを得ることで排出されます。
日本のCO2排出量の約9割がこのようなエネルギー起源の排出です。
世界のエネルギー資源の可採年数は、2007年末時点では石炭が最も多く133年、続いてウラン100年、天然ガス60年、石油42年と言われています。
エネルギー資源の8割を日本は海外から輸入しています。
エネルギー消費のムダをなくし、化石燃料の使用量を削減することが、地球温暖化を防止するうえでとても重要です。
電気エネルギー
現代社会で電気のない生活は考えられません。家庭のエネルギー消費で最も多いのが電気エネルギーです。
発電方法には、火力(石油、石炭、天然ガス)、水力、原子力、地熱などがあります。
電気は貯蔵しておく事ができないため,需要のピークに見合った発電設備を作っておく必要があります。
電源別の発電電力量1kWhあたりのCO2排出量が最も多いのは石炭で、次いで石油、天然ガス、原子力となっています。
CO2の排出を抑え、安定して安価な電気を供給するために、さまざまな発電方式を上手に組み合わせることをベストミックスと呼んでいます。
また、CO2の排出抑制を行うためにはエネルギー変換効率(※)を高めることが有効です。
東北電力東新潟火力発電所ではガスタービン、蒸気タービン、発電機を組み合わせた「コンバインドサイクル方式」を採用し、エネルギーの変換効率を高めています。
※エネルギー変換効率:1次エネルギー(例えば熱)から2次エネルギー(例えば電力)に変換する効率。この効率が高いほどエネルギーを有効利用している。
家庭での省エネルギー
温暖化防止の身近な取り組みが家庭での省エネルギーです。
例えば、白熱電球を同じ明るさの蛍光ランプに換えると消費電力は4分の1程度になるため大きな省エネ効果が得られます。
冷房の設定温度を上げる、暖房の設定温度を下げるなど簡単なことでも省エネになります。
また、エアコンや掃除機、換気扇のフィルターをこまめに掃除することで効率がよくなり、省エネが図れます。
マイカーも、エネルギーを多く消費し、CO2、一酸化ニ窒素(N2O)といった温室効果ガスを排出しています。また排気ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOX)、窒素酸化物(NOX)などは大気汚染の原因となっています。アイドリングストップ※などのエコドライブが有効です。
例えば1日10分間アイドリングストップ(※1)すると、年間約50Lの燃料を節約し、CO2排出量を削減することができます。
最近増えてきているハイブリッド車(※2)は、通常のガソリン車に比べて燃費がよく、CO2の排出量を大きく削減することができます。
その他の取り組みは「エコナビ」でその効果とあわせて紹介しています。
⇒エコナビへ
※1 アイドリングストップ:駐停車の際にエンジンを止めること。
※2 ハイブリッド車:2種以上の燃料を効率よく利用した自動車。電気とガソリンが一般的。
新エネルギー
新エネルギーとは、自然の力を利用したり、今まで使われなかったエネルギーを有効に使ったりするエネルギーのことを言います。
中でも風力、太陽光など無尽蔵な自然の力を利用した自然エネルギーは、発電時にCO2を全く排出しないため、地球温暖化対策に期待されています。
しかし、風力発電は安定した電力が得られにくく、太陽光発電は曇りや雨の日でも発電するものの発電量が少なかったり、夜は発電しないため、すべてを自然エネルギーでまかなうことは難しいのが現状です。
ごみを燃やしたときに出る排熱で発電したり(廃棄物発電)、熱そのものを暖房や温水プールの熱源として利用すること(廃棄物熱利用)も新エネルギーのひとつです。
また、下水処理の際に発生するメタンガスを利用した燃料や発電、植物由来のエネルギーはバイオマスエネルギーと呼ばれています。植物などの有機物は生長過程でCO2を吸収するため、結果的に大気中のCO2を増やしません。
新潟市では、家庭からの植物性天ぷら油の廃油を回収し、バイオディーゼル燃料に精製して軽油の代わりに公用車の一部で使用しています。
食から考える温暖化防止
日本の食料自給率(カロリーベース)(※)はおよそ40%です。(新潟県では約99%)
日本は多くの食料を海外から輸入していることになりますが、その輸送にはたくさんのエネルギーが必要です。
食料の重量に輸送距離をかけあわせた数値をフードマイレージといい、この数値が高いほどエネルギーを要し、二酸化炭素を多く排出します。
食材を購入する際は国産、できれば地元のものを選ぶ方が環境への負荷が低いことになります。
このような意味でも,地元で採れたものを地元で消費する「地産地消」をすすめる事が大切です。
国産食材の使用率が50%を超えるお店を「地場産品応援の店」とし、その証として「緑提灯(みどりちょうちん)」を掲げる取り組みが全国で広がっています。
「地産地消」を身近に体験できる場として、実際に自分で野菜などを栽培できる市民農園が新潟市にいくつかあります。
※食料自給率(カロリーベース):国内の食料消費が、国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標。そのうち、重量・価格がそれぞれ異なる食料を総合的に評価するため、その食料に含まれる熱量(カロリー)の値を用いて示したもの。
カーボンオフセット
省エネなどの努力をしても、どうしても排出してしまう温室効果ガスを自分ではない別の場所・別の人が行う「温室効果ガス削減事業」の効果を得ることで差し引きゼロにするという考えを「カーボンオフセット」といいます。